症例報告casestudy
成長期の踵の痛みはシーバー病?症状を解説!
2021年05月16日
前回のオスグッド病に引き続き、成長期に踵が痛くなる症状は「シーバー(セーバー)病」と呼ばれています。
これは踵のアキレス腱付着部における骨端症と言った症状です。
◆アキレス腱周囲の構造
図① ふくらはぎの後方から見た図 ?️と?️の筋肉(腓腹筋 ヒラメ筋)がアキレス腱に移行して踵に付着する。
図② つま先立ちになると、アキレス腱が収縮する事で踵に牽引力が加わりこの箇所に負担が掛かる。
この症状は、アキレス腱が過度に牽引する事+成長期は骨がまだ完成していない為、骨膜の炎症もしくは骨自体の痛みとなる可能性あります。
図③ 踵の後方(骨端)は骨がまだ完全に引っ付いておらず、アキレス腱が過度に使われるとこの箇所を引っ張る事で骨の炎症が起きる。
また足裏?には足底筋膜という足を支える筋もあり。この箇所が硬く緊張する事でも負担が掛かりやすくなる。
図④足底筋膜の筋
図⑤
赤線はアキレス腱の牽引力
黄色線は足底筋膜の牽引力
緑枠は骨端部、離れてしまう!
お互いに筋緊張が強くなると中間地点の踵に負担が掛かる為、踵の痛みの原因となる。
◆どんな状態?
・踵に付着する軟部組織(筋肉や靭帯、滑液包)の障害
アキレス腱自体の損傷や、クッションとなる滑液包の炎症
・骨端軟骨の障害
腱が踵を引っ張る事で軟骨が剥がてしまう。
◆病歴、原因
オーバーユース(使い過ぎ)によるもの。
負荷が増えると朝の起床時に踵周囲の痛みあり。
歩行したりお風呂で温めたりすると徐々に良くなる。
トレーニング中は痛み少ないが、終了後に痛み出現多い。
◆治療法
①アキレス腱や足底筋膜のストレッチ
②骨盤や股関節等、下半身の機能回復
③テーピング・サポーター等装具着用
④足関節や距骨下関節の可動域改善
⑤アキレス腱を中心としたトレーニング
成長痛は安静にすれば痛みは改善します。
更に、症状に合わせた治療・トレーニングをする事で早期回復が期待出来ます。
安静+早期治療で成長痛から解放されましょう。