関節の痛みjoint
肩こりの解決法~呼吸と胸郭の関係に注目~
2021年07月11日
肩こりの原因追求第二弾2️⃣
前回お伝えした肩こりのメカニズム→肩こりの解決法は、肩こりの仕組みを知る
身体全体を知ることで様々な関係が考えられます。
今回注目したい点は「呼吸」。
呼吸と肩こりについての関係性を報告します。
◆呼吸の仕組み
呼吸をする際には、胸郭が拡張⇄収縮を繰り返します。
呼吸の際肋骨動き方https://m.youtube.com/watch?v=V9eGCLp2wfs
拡張→胸郭上部は前後に、下部は横に拡がります。
収縮→萎むように戻ります。
呼吸の際には様々な機能が働いています。
①筋肉
この仕組みは、肋骨に付着する「肋間筋」「横隔膜」が関係しています。
(肋間筋 肋骨の間につく)
(横隔膜 吸気の際下に引き下げる筋肉)
この二つの筋肉が正常に作用する事で胸郭を拡げる事が可能となり、呼吸が出来ます。
②圧力
筋肉以外にも呼吸に関わる「圧力」、肺と肋骨の間にある胸膜腔の関係も大切です。
この胸膜腔は基本的に「陰圧」で吸気の際に更に圧力が下がることにより、肺を引っ張ります。
(昔理科の実験でやったテスト、圧力の差によって風船(肺)が膨らむ⇄萎む状態)
①から⑩まで繰り返し起こります。
しかしこの呼吸が正常に機能していない状態、日常生活の中で負担を掛ける癖が呼吸に制限を掛けてしまう事も考えられます。
③神経
脳の延髄から呼吸に対して指令を出します。
酸素を必要とする時や、二酸化炭素を出さないといけない時にもここから指令を出します。
◆呼吸と肩の繋がり
では呼吸と肩こりにはどんな関係があるのか?
呼吸は基本的に「胸郭の拡張作用」が働く事で自然な状態を維持出来ます。
しかし胸郭が拡張しないと首に負担が来ることが考えられます。
これは、頚部(首)の筋肉が呼吸の際に補助の役割として「胸郭を持ち上げる作用」があります。
胸郭に何らかの問題が起こる→胸郭が拡張しにくい→補助としての頚部の筋肉が働いてしまう→首の緊張が強くなる→首・肩こりの原因となる
・どんな箇所に負担が来るか?
(青枠内の筋肉は、呼吸の際に補助筋として胸郭を持ち上げる作用あり)
更に首の構造を細かく観察すると、筋肉以外にも支えている組織が幾つかあります。
・中頚腱膜
首には主に3つの膜があり、その中の一つ中頚腱膜は首を走行している幅広い膜です。
この中頚腱膜は鎖骨の上部に付着して、鎖骨を包んでいる鎖骨下腱膜と繋がります。
鎖骨は呼吸の際、上下に動き首を覆う中頚腱膜も同時に動きます。
この中頸腱膜は静脈を覆う構造にもなっており、硬く緊張・圧迫する事で循環不良となってしまう。
・胸膜蓋
鎖骨上窩と言って、鎖骨の後方にあるスペース。第一肋骨から肩甲骨の上面に着く膜の組織。リンパ組織も非常に多く含んでいる。
これは懸垂構造としての役割があり。肺の上部(肺尖)や胸膜、中頸腱膜も繋がっており、首や臓器を支える組織と非常に密接な関係があり。
中頸腱膜と胸膜蓋は胸郭の問題を表してくれる組織です。
これらの事から、胸郭の問題を取り除く事が首の負担を減らして「肩こり」の改善の効果が期待出来ます。
次回第三弾→循環不良と肩こりの関係を報告します。