頭蓋治療cranial
赤ちゃんの吐き戻しのメカニズム①
2022年01月16日
当院に来院される赤ちゃんの症状で「吐き戻し」をするケースは珍しくありません。
成長過程で徐々に軽減する、と考えられてもいますが
・沢山吐き戻しする
・頻度が多く、中々減らない
等悩まれている親御様も多く見えます。
実は吐き戻しの改善方法の一つ、身体の構造や機能に対して治療するオステオパシー治療で、吐き戻しの改善する可能性があります。
今回はそんな治療の考え方について報告します。
【吐き戻しについての一般的な見解】
胃が未熟なため逆流を起こしやすいと考えられています。
よく見られる「ヨーグルト状」の吐き戻しは一度、胃までミルクや母乳が運ばれて、消化中に何らかの影響で吐き戻したと考えられます。
3ヶ月を目処に、吐き戻しが改善するケースが多いです。
【吐き戻しの原因】
①食道と胃の接合部分が発達途中なため、おっぱいやミルクが食道に逆流しやすい。
②授乳時に空気を飲み込みやすく、げっぷと一緒に吐いてしまう。
③満腹中枢が未熟で、母乳やミルクを飲み過ぎてしまう。これは過飲症候群といって必要以上に母乳をあげ続けてしまい、赤ちゃんは与えられた分を全部飲んでしまいます。その結果、飲み過ぎ状態になり、吐き戻してしまいます。
【頭と首の関係】
ここからは構造と機能の関係です。
頭蓋骨の底面に頚静脈孔(けいじょうみゃくこう)という空間があり、ここから胃や腸に繋がる迷走神経が出ています。
➀乳幼児の後頭部を後方、底面から見た写真。ここに頚静脈孔がある。
・赤矢印が頚静脈孔 ここから胃や腸に繋がる迷走神経が出ています。
②迷走神経の走行図。こんな形で多くの箇所に神経線維を送っています。
赤丸の箇所が頚静脈孔で、ここから迷走神経が出る。
迷走神経は胃や腸等消化器、心臓や肺など循環器にも繋がる。
絶壁の症状は
・片側は平担
・逆側が突出
このパターンが多い。
実は突出した側は
側頭骨の位置により頚静脈孔が狭くなる為、迷走神経を圧迫してしまいます。
・青→は絶壁 赤→は突出側
①後頭骨に引っ張られて、②側頭骨は
底面に牽引される、結果的に頚静脈孔
が圧迫される形となる。
迷走神経が圧迫されることは次の事が考えられます。
・神経が常時過敏な状態となり、正常な伝達能力が妨害されてしまい、胃が過敏な状態となります。
その結果、吐き戻しをしやすい状態へ繋がってしまいます。
・赤の✖が制限を受けている場所だとすると、〇で囲った箇所の迷走神経に
伝達不良が起こり、胃腸の問題の一つ「吐き戻し」に繋がります。
【治療について】
治療の考え方は 後頭骨と側頭骨の空間を広げる刺激が大切。
つまり、後頭部の突出も併せて改善する事が吐き戻しの改善に繋がります
・赤線は後頭骨と側頭骨の縫合面。
黄色の矢印の方向に広げる事がポイントとなります。
【予防法】
・抱っこや抱っこ紐で寝ている際の首の位置に注意する。
この様な首の位置は頚椎を圧迫してしまい、吐き戻しの原因となります。
?️の「のけぞり」や?️の「寝る姿勢」は基本的にNG?♂️。
首の位置と吐き戻しは関係がある為、赤ちゃんの首の位置は注意してみましょう。