身体のメンテナンスとは? ③関節の正常な働きをチェックする「TGO」とは?

身体のメンテナンスで必要なチェック項目として、オステオパシーテクニックの一つ「TGO」というテクニックがあります。
Treatment General Osteopathic=オステオパシー統合治療
オステオパシー統合治療は「患者の訴え(痛み)の箇所、症状に対して、体全身の繋がりを確認する為」のテクニックです。
オステオパシーとは身体の不調や痛みとなる原因を検査・治療する事が基本の形となる為、患者様の訴えや症状に対しての繋がりを考える事が大切と言われています。
このTGO、具体的には骨を把持して長いテコを使い、身体の全てな組織に動きの中で刺激を入れて、関節の状態を確認します。
・脚の全長
・黒丸で囲った箇所(股関節)に対して大腿骨を把持すると手との距離が短くなる。
・こちらは脚の脛を持った場合、てこの関係から股関節に対して少ない力で動かせる。
・左右に動かす内転・外転の動きも足部を把持した方が「少ない力で大きな負荷を加えることが可能」。
◆ポイント
①関節に対して滑らかな刺激を加える
→例えば股関節は「多軸関節」といって、関節の動きは縦 横 回旋の3つの軸「3軸」が動く事で、スムーズな動きが出来ます。
この3つの動きが滑らかに出来るかを検査します。
②足先から頭まで、関節を一つ一つ確認する
・足先から頭まで、数多くの関節があります。例えば足だけでも約30以上の関節があり、各箇所を確認します。
これらの関節が一つ一つ適切な動きがあるか、確認をします。
③人間の体で非常に重要な血管にも負荷を掛けない状態をつくる
・関節付近には必ず血管が走行しています。
・膝関節の後方に走行する「膝窩動静脈」
関節が硬くなり可動域制限が発生すると血管自体に負担が掛かる原因の一つとなります。
このようなケアは筋肉や関節を痛めない手法の為、スポーツ選手から高齢者まで幅広い年代に適応出来ます。
身体全身を検査・治療をする事で背骨や骨盤を中心に身体全てに作用する結果、神経や血管にも刺激が入ります。
更に、非常にソフトな刺激で受け手(患者様)はリラックス出来る為、身体の自然治癒力を高めて回復する状態になる。
関節の可動域を緩和・改善する事は、身体を傷めない状態に仕上げる一つの要因です。
「事前に身体の怪我をしない準備」
TGOはその役割を果たします。
身体のメンテナンスとは? ②学生はどのタイミングでメンテナンスをすれば良い?

今回は学生のメンテナンス「頻度」についての報告です。
◆メンテナンスの頻度は?
サッカーをする小学生。
年齢→9歳
スポーツ→サッカー
要望→
・どこに問題があるか見てほしい
・ケガをしない身体にしてほしい
今回のアプローチ方法
・筋膜リリース
・全身関節の治療
・姿勢矯正アドバイス
・セルフケアアドバイス
特段どこに問題がある訳でなく、定期的に親御様から見てほしいとの要望でメンテナンスを受けています。
子供は基本的に大人と比べて筋肉含めた筋は柔らかい為、日頃の使い方や身体のケアをする事で現状維持が出来ます。
しかしサッカーは足を良く使う為、セルフケアでは賄いきれない張りが出てきます。
初診の際、この学生も同じく特徴的に張りが出た箇所は「脛(すね)の前側」
脛には足の踏ん張りをした際に、過剰に緊張する箇所がアリ。
片脚で踏ん張る事により、脛に過剰な負担が掛かる。
①前脛骨筋
②腓骨筋
サッカーの様な競技は、この筋肉のケアが必要となる。
例1)脛が過度に緊張する事で、衝撃を吸収する弾力性が弱くなり、最悪の場合疲労骨折になる可能性もあり。
・脛骨の内側部に骨折の可能性あり
例2)身体を「曲げる」際には、脚なら足関節、膝関節、股関節、腰椎が連動して曲がる事が必要。
脛が硬くなる事で脛の上下の足首や膝関節に負荷が掛かり、関節障害に繋がる可能性あり。
・関節が全て連動しないと上図の様に転倒してしまう。」
これらの筋は「ダッシュ⇄ストップ」の際に必ず使います。運動の頻度が増えるor疲れが溜まると、これらの筋は徐々に固くなり足の疲れが軽減しなくなるかもしれません。
しかもこのジュニア世代は週に数回程練習する為、セルフケアでは間に合わない可能性あり。
トレーニングレベルにもよりますが、理想は3週間に1度受ける事が良いとされています。
これは個人差もありますが、どんな協議でも身体の癖(くせ)が出ます。その癖が約3週間ほどすると顕著に張りとして出る可能性があります。
スポーツでは必ず出てしまう「癖」、これを改善する為にメンテナンスにてチェック+アドバイスをする事が、ケガ予防にも繋がります。
(因みにこの小学生は、2回目に来た時には2ヶ月程空きましたが脛の張りは殆どなかったです。まだ軽症?の為か即効性もあり、本人曰く「調子は良かった」との報告を受けました)
身体のメンテナンスとは? ➀身体の繋がりを診て、様々な機能をチェックする事で最適な状態に導く

当院では外傷によるケガ、産後・産前の骨盤矯正、乳児の頭蓋調整、頭痛治療など、体の様々な「問題」に対して治療を行います。
その結果,治療により症状が改善して、体の不調が感じられない、問題がない場合でも「現状維持の為に定期的な身体のメンテナンスが必要ですか?」質問することがあります。
メンテナンス、車の整備や車検のようなイメージを持たれるかもしれません。
人間の身体も車と同じように「定期的なケア」をする事で以下の効果が期待出来ます。
・身体が一番楽な状態になることで良好な状態を維持出来る
・事前に怪我に繋がる状態を回避できる
・気持ちが落ち着く事でゆとりが持てる
当院での手法では「オステオパシー治療」を中心とした治療で、多くの症状に対応しています。
オステオパシーでは身体全体の検査・治療を行う為、オステオパシー治療=メンテナンスに非常に近いものです。
例えば腰痛の治療では、身体の機能や構造に対しての見解から治療を行います。
オステオパシーの考え方 https://www.youtube.com/watch?v=ERB4ZZ0EeJc
→当院での診かた https://seiren-do.com/beginner/
つまりメンテナンスとは体の機能が最適な状態で動く事を目標にしたアプローチ、と言えます。
今月は身体のメンテナンスによる様々な効果について報告します。
◆何を「診る」のか
メンテナンスとは「身体全体の機能チェック」と言えます。
スポーツや習い事、遊びで体を酷使する10~20代。
仕事や子育てに忙しい30代。
更年期に入る40代。
徐々に身体の機能低下を感じる50代以上。
年代によって悩みは違いますが、診るべき点はあまり変わりません。
体の機能、構造
・筋肉や骨格の問題
・循環不良による問題
・神経の問題
・内臓の問題
・頭蓋の問題
・ホルモンの問題
患者様自身の生活上の特徴
・日常生活の癖
・スポーツや趣味の特徴を分析
・体重や体格の変化
・ストレス要因
これらの問題を 聞いて・診て・改善することがメンテナンスです。
◆どんな要望か
基本的には患者様(クライアント)の要望は何が必要か、はっきりと把握しないといけません。
例①オリンピックレベルのスポーツ選手のメンテナンス
例えばコンタクトスポーツ→サッカーやラグビー、相撲等は身体に強い衝撃が加わります。
強い衝撃は身体の構造が「トラウマ」として記憶します。
→https://seiren-do.com/casestudy/2021/06/27/交通事故後の治療法〜トラウマの治療法について/
以前、講習で担当したポルトガル人の女性の先生から興味深い話を伺いました。
「私の知り合いで、カナダ代表の女子サッカーチームトレーナーから腹部の内臓周囲にある筋膜リリースの方法を教えて欲しいと言われました。サッカーでは激しい衝撃を受ける為腹部の緊張が蓄積されてしまい、通常のマッサージでは張りや疲れが減らないと選手から言われます。
それからこのトレーナーは講師から腹部の緊張を取り除くケアを教えてもらい、選手達に提供した事で国際大会で非常に良い成績を収めた。それが2012、2016年のロンドン・リオデジャネイロオリンピックで3位に入れました。
腹部のケア=内臓周囲の筋膜を緩めるアプローチでは、神経を介して筋緊張を緩める効果が期待されます。その結果、筋緊張が緩和されてケガのしにくい状態、ケガを未然に防ぐ可能性を増やします。」
スポーツ選手はプロ・アマチュア関係なく、メンテナンスはリラクゼーション的な効果だけでなく、ケガの予防といった選手生活に支障が出ない為の必要なアプローチとの捉え方も出来ます。
お盆休みの報告
8月11日(水)〜8月15(日)までお休みになります。宜しくお願い致します。
肩こりのお悩みについて

令和3年7月は肩こりについてのブログを報告しました。
肩こりでお悩みの方は、是非参考にしてみて頂けると幸いです。
https://seiren-do.com/casestudy/2021/07/25/セルフケアで肩こりから卒業する?/