症例報告casestudy
交通事故の衝撃は自律神経に関係する〜トラウマと身体の違和感〜
2021年06月20日
今回の報告は、交通事故の様な強い衝撃を受けた人でトラウマ(身的外傷)による身体の不調について報告します。
(トラウマは心の傷であり、感情や生理学作用、免疫にまで及ぼす症状です。その人にとってきっかけがあるとストレスホルモンを大量に分泌してしまい、不快な情動や衝動的且つ攻撃的な行動が突然出てしまう。)
先日お伝えしたブログに、時速40kmでぶつかった際にはビル二階の高さ、およそ6mから落ちた時の負荷が掛かるとお伝えしました。
強い衝撃・負荷が一瞬で掛かると、身体には「衝撃の記憶」が残ります。
この衝撃が身体に様々な負担を及ぼす可能性があります。
非常に多いケースですが、交通事故等で骨折の疑いも筋肉の目立った損傷もないが、身体の痛みや不調がずっと変わらないケース。
この時身体の中でどんな状態になっているのか?
強い衝撃によるトラウマ(身的外傷)からの自律神経のトラブルが考えられます。
身体の神経には
・活発に活動する為に必要な交感神経
・休息する為に必要な副交感神経
この2つを合わせて「自律神経」といいます。
この自律神経のバランスが正常に働かなくなると、身体の様々なトラブルが起こります。
①私達は脅威を感じた際には、周りに助けを求める「社会的関与」に向かい支援を求めます。(副交感神経優位になる。腹側迷走神経複合体という神経が働き心拍数は下がり呼吸は深くなる為、落ち着いて安定感を感じる)
②しかし助けが来ない→危険が迫ると「闘争/逃走」に切り替わります。(交感神経優位に変わる。闘い、逃げる準備の為筋肉を緊張させて心拍数も↑↑。)
③それもうまくいかない時は、エネルギーの消耗を少なくして守りに入る「虚脱」の状態になる。(再度副交感神経優位に変わる。背側迷走神経複合体が働き身体は緊急事態となり、胃腸や肺の働きをが低下する結果、呼吸困難や腹痛になる。)
?腹側迷走神経複合体は社会との協調認識を持つことで安心する感覚が優位になる!
?背側迷走神経複合体は代謝能力を徹底的に減らす、緊急事態に使われる神経。
参考までに猿?の行動
①→怯えた猿が助けを求める
②→歯を剥き、攻撃的な姿勢をみせる
③→敗北を感じて引き下がる
ここで大事なポイント☝️
この様な通常の生物の反応が、強い衝撃を受ける事でトラウマになると
①の身体を楽にするが働きにくくなり②と③の身体を疲れさせるサイクルに嵌り、常時身体の疲弊、疲労困憊の状態となり、結果的に身体の働き=自律神経の切り替わりが出来にくくなります。
その結果、良く分からない治らない症状の不定愁訴となります。
・慢性的な腰痛、首の痛み
・偏頭痛
・消化不良
・慢性疲労
…etc
以上の事から、交通事故を受けてからの治療では、心因要素や心の問題を取り除く治療も必要です。
次回はトラウマについての治療法を報告します。