頭蓋治療cranial
交通事故後の治療法〜トラウマの治療法について
2021年06月27日
先週お伝えした「トラウマ」について、今回は治療法を報告します。
◆トラウマの記憶
体に対しての強い衝撃(事故等の外力、心因的なショック等)は、体の細胞に「記憶してしまう」もしくは「記録をつけてしまう」傾向があります。
どの様な問題を引き起こすのか?
・胸の張り裂けそうな情動(一時的な強い感情を伴う動作。興奮させるアドレナリンが分泌され、血糖の増加、血圧の上昇、心臓の拍動の昂進(こうしん)、血液の凝固力の強化が生じ緊急事態に対して強力になる。)を伴う
・自己免疫疾患を引き起こす
・筋肉や骨格の問題
ではこれらの問題を解決するにはどんな方法があるのか?
心の問題❤️?/脳?/内臓?を調整・治療する事が根本的な変更に繋がる可能性があります。
◆治療法
1)呼吸を整える治療法〜頭蓋仙骨療法〜
オステオパシー独特の考え方で、頭蓋骨と脊椎(背骨)+仙骨の動きを重点においた考え方。
人は呼吸の種類が2つあると考えられています。
・第一次呼吸→頭蓋と仙骨間の動きに関わる呼吸。
・第二次呼吸→通常の呼吸
二つの呼吸は以下のメカニズムと考えられています。
息を吸う時には横隔膜が下がり、内臓を下に押す圧力が加わり肺を膨らませます。
息を吐く時には横隔膜が上がり、内臓を引き上げて肺が萎みます。
この呼吸は「第二次呼吸」と言います。
→呼吸の際動く内臓の動画です。
https://m.youtube.com/watch?v=SdPQzuXnKcc
そして第二次呼吸の際、身体に加わる圧力(内圧)によって頭蓋骨の膨らむ様な状態を第一次呼吸と呼ばれます。
?大事なポイント?
脳の脈絡叢から産出される脳脊髄液は、頭蓋内圧(とうがいないあつ、脳内の圧力)を引き起こし、内圧の振動によって脳硬膜に刺激を加えて頭蓋骨・仙骨を動かすと推測される。
・脳を覆って全身を循環する脳脊髄液
・脳硬膜は頭蓋骨と仙骨を繋ぐ硬い「膜」
脳硬膜に振動→頭蓋骨と仙骨に伝わり→双方の骨が動くとポンプみたいな役割を果たす為→脳脊髄液の循環に繋がる。
呼吸と頭蓋骨は連動して僅かに動き、脳脊髄液がリズミカルに振動する。
この運動により、生体の自然治癒力が機能すると考えられています。
しかし、交通事故の様な強い衝撃はこのメカニズムに影響を及ぼして機能障害を起こし身体の回復を阻害してしまいます。
①頭蓋仙骨療法を行い正常な呼吸リズムを整えます。
非常に優しい力で頭蓋骨のリズムを調整します。頭蓋リズムが整う環境になると自律神経の安定性に繋がり、結果的に内臓や感情の問題の解決となる可能性が増えます。
②第二次呼吸の改善
呼吸の主となる筋肉→横隔膜に関わる調整をします。
・頚椎から出る横隔神経の制限を検査
→横隔神経の走行路に対して検査
・呼吸の際に拡張する胸郭の柔軟性
→胸郭の関節の可動性を検査
https://seiren-do.com/casestudyむち打ちの痛みとは胸郭との関係性
・感情の問題から横隔膜への負荷
→自律神経と呼吸の関係性を検査
…etc
この様にトラウマの治療では、呼吸についての治療法が効果的と考えられています。(他にもマッサージ、ヨガ、瞑想など数多くあり!)
しかし様々な問題が関係している「トラウマ」に対しては、非常に複雑であり身体の辛い症状です。
まずは患者様、クライアントの話をしっかり聞いて安心してもらってから治療を進めていく事が大切な過程となります。