関節の痛みjoint
「循環不良」からの繋がる肩こりについて
2021年07月18日
肩こりと身体の構造を解説第3️⃣弾。
今回は「循環不良」から肩こりに繋がる可能性をお伝えします。
◆循環とは?
身体の中を様々な液体が常に流れている状態で、循環器(液体を流す管、脈管)が働いている事を循環と呼びます。
循環している液体は血液・組織液・リンパ液の3種類あります。
血液は図のように 毛細血管の中を流れる体液です。
そしてリンパ管を流れる体液をリンパ液といいます。
毛細血管とリンパ管の間には細胞が集まった組織がありますが、この細胞間のすき間をうめている体液を組織液と呼びます。
リンパ液は一方通行で。血液は全身循環しています。
①リンパ液
・リンパは全身に張り巡らせている組織、老廃物を処理するリンパ節は腋窩(わき)、鼠蹊部、首に多く含まれる。
リンパ液はリンパ管という管を通っており、リンパ管が血管では回収できない大きさの物質(おもにタンパク質や脂肪、有害物質)を水分とともに 取り込みます。
無色~淡黄色の透明でやや粘り気のある液体です。血液よりも流れは遅く、近くにある動脈の拍動や消化管の動き、筋肉の力などの影響を受けながら「リンパ管」の中を流れています。途中「リンパ節」という組織で有害物質を除 去しながら、体の内部の太い「リンパ管」へと合流、最終的に鎖骨の下付近で血管(静脈) へと流入し、「リンパ液」はその旅を終えます。
リンパ液の流れ(非常にゆっくりと流れる様子が見られます)→https://m.youtube.com/watch?v=Rqs0yC9Ei_8
②血液
心臓?から全身に行き渡る血管、動脈・静脈を介して流れる液体が血液です。
動脈の中の血液は酸素を多く含み、栄養価が高く各組織に行き渡す役割り。
静脈の血液は各組織に栄養価を行き渡した後、心臓に戻るよう流れていきます。
③組織液
毛細血管から滲み出た液体で細胞の外を埋めており、リンパ液はリンパ管を流れる組織液となります。
◆循環不良になる原因は?
これらの液体の流れが停滞、悪くなる事を循環不良といい様々なケースが考えられます。
①筋膜の制限(緊張)による
首の静脈は呼吸と関わりがあり、息を吸う事で静脈の管が拡がります。
吸気の際には肋骨や鎖骨、胸骨が広がりその結果、静脈循環を促進する。
首を覆う筋膜の一つ「中頚腱膜」は首の静脈を覆っており、鎖骨や胸骨にも被さるように繋がっています。
・黄色枠の白い膜状の組織が「中頚腱膜」
この中頚腱膜が緊張=硬くなる事で静脈を締め付けてしまい、静脈を閉じる様な作用が働くことがあり。
静脈は「老廃物を流す役割」がある為、静脈が開かない→老廃物が溜まる→痛みを起こしやすくなる傾向がある。
例えば
・交通事故による強い衝撃(一瞬の衝撃で筋膜の緊張が続くケースもあり!)
・普段の姿勢不良から首の位置異常(首が前に傾く事で、首の前方にある筋肉が収縮した状態を記憶、首を前に引っ張る習性になる)
以上の事が中頚腱膜を中心とした筋膜や筋肉に強い負荷をかけてしまい、膜の緊張が緩和しない結果静脈の開きが悪く循環不良になる可能性が考えられます。
②筋力低下
筋肉量が少ない、もしくは普段から動かない時間が増えると単純に筋力が下がってしまいます。筋肉量が少ないと血液を押し出す血管のポンプ作用が弱く、血流が速くなる事=栄養価を沢山運ぶ事が難しくなります。
また、背中の筋肉は普段から使わない事が多い為、何をしなくても筋力低下に繋がる事は非常に多く見られます。元々姿勢を起こす、前に倒れにくくする作用がある為、姿勢不良(体が丸くなると背中の筋が伸ばされてしまう)から筋力低下も考えられます。
実際に肩のトレーニング、当院でも推奨する「ラットプルダウン」は、肩こり軽減に繋がる人が多数見えます。
https://m.youtube.com/watch?v=u2cqBa92OIA
これは肩に強刺激が入る為、筋肉が収縮して血流が活性化され老廃物が流れて痛みの成分が軽減することも考えられる為です。
以上の事から、筋膜の問題から首の負担+筋力低下により循環不良(血流低下)→肩こりに繋がります。
肩こりがある方は
・首の位置が悪くないか?
・筋力低下はあるのか?
まずはこの点をチェックしてもよいかもしれません。
次回は肩こり最終回、自分で出来る肩こり予防法を報告します。