頭蓋治療cranial
頭の形・治療について① 簡単なガイドライン
2021年10月03日
「頭の形は変わりますか??」
ここ最近、問い合わせが非常に増えている頭の形の治療。
当院にもSNSを通じて県内、県外からも毎週の様に問い合わせが来ます。
そこで今回は簡単に頭蓋治療について大まかなを報告します。
◆どんな治療法か?
頭蓋治療とは、頭の骨に対して刺激を加えて様々な効果が期待出来る治療法。
・骨の隆起(りゅうき)→突出している箇所
・縫合(ほうごう)→噛み合わせの箇所
・頚椎と後頭骨の関節付近
これらの箇所に、適度な力を加えます。
乳児の頭の形を矯正する力は、本当に僅かな力です。軽く頭を撫でる程度の為、実際親御様が受けて頂くと口を揃えてびっくりされます。(思った以上に力が弱いため)
◆どんな症状に対応出来るのか?
乳幼児に対しては
・頭の形を矯正 斜頭 絶壁 出っ張り
・泣き癖 癇癪
・吐き戻し 母乳やミルクを吸えない
・向き癖(いつも同じ向きを向く)
・斜頸
以上の症状の改善が期待されます。
◆いつからが理想か?
産まれてから成長の過程で、徐々に頭の骨が固まります。
頭部の骨は6歳までは速く成長をして、7歳以降は緩やかな成長をします。
頭の骨が固まるまでは、骨の位置が変わる為出来るだけ早い時期が望ましいです。
最近では、月齢2ヶ月のお子様も来院されています。
◆どれくらいの変化が見られるのか?
頭の形に関しては、「まん丸」が理想です。
しかし頭の形によっては、
・「ほぼ丸」
・凹みが膨らんだ
・凸が凹んだ などのケースもあります。
治療前 左前頭部に凹んだ形
治療終了後 凹んだ跡はほとんど見られず
◆期間はどれくらい掛かるのか?
まずは個人差があります。
例えば軽度の歪みであれば2.3回で終わるケースもあります。
しかし、状態によっては半年以上掛かるケースがあります。
これは歪みの程度が大きかったり、年齢が小学生になってから等頭の状態にもよります。
◆注意点
以下の状態は病院での治療をお勧めします。
・ヘルメット治療
頭部の歪みが明らかに強く、病院で勧められた際に使用するヘルメット治療。
ほぼ常時使用する為、形が戻りやすいが値段は自費治療になる為高額である(50万前後)。
・頭蓋骨縫合早期癒合症(狭頭症)
頭蓋骨縫合のどれか、またはいくつかが通常よりも早い時期に癒合してしまう病気です。
頭蓋骨縫合が早期に癒合してしまうと、頭蓋骨の正常な発育が阻害されるため脳を覆う頭蓋容積が狭くなり脳が圧迫される障害や頭蓋骨の変形が生じます。
頭蓋の変形は早期癒合が起こった縫合線(骨のつなぎ目)と密接な関係があり、例えば縦の縫合線が早めに塞がると頭の骨が横に成長できないため縦長の頭になり舟状頭(しゅうじょうとう)と言われる変形を生じます。
上記の矢印は縫合線が無く、成長の妨げになる。
縫合線の塞がり方で、頭が縦に短くなったり(短頭症:たんとうしょう)、斜めや三角になったり(斜頭症:しゃとうしょう、三角頭:さんかくとう)、上にとがったり(尖状頭:せんじょうとう)します。
(※一般社団法人日本形成外科学会の資料より抜粋)
◆まとめ
①治療法は頭の骨を中心に、触れる程度の力で矯正する
②頭の治療をする事で、向き癖や頭の形が変わる
③治療時期は早い時期が良い
④「まん丸」が理想 ほぼ左右対象が現実的
⑤治療期間は半年程様子を見ながら治療を継続する事が理想的
⑥病院でヘルメット治療を勧められる位変形が顕著な場合や、頭蓋骨縫合早期癒合症と診断された場合は必ず病院での治療をする。
当院での治療は、あくまでも病院で「経過観察をしましょう」と言われた時に、成長の過程を手助けする方法です。
以上の事から、乳幼児の頭部の形は変わります。
次回のブログでは、もう少し細かい情報をシェアします。