頭蓋治療cranial
頭の形・治療について ③どんな考え方で治療をするのか?斜頭の仕組みと治療の考え方
2021年10月17日
赤ちゃんの頭の治療についてのお問い合わせで、必ず聞かれる質問は「どんな治療をするんですか?」と聞かれます。
あまり情報が無い治療の為か気にされる親御さんは多いかと思い、今回は治療内容について報告します。
◆頭の捻じれ「斜頭」はこんな状態
・頭の骨は元々決められた位置にあります、しかし赤ちゃんの頭は非常に柔らかい為同じ向きで長時間横向きになる事で頭の位置が捻れてしまいます。
例えば出産後の斜頭は寝る向きによって簡単に変わってしまう結果起こり得る症状です。
上記の図は左横向きに寝た場合に起こりえるパターン。
➀左の側頭部は前方に押し出される為、絶壁状態になる。
②左の前頭部も前方に押し出される為、左凸になる。
③右頭部(全体的に)は左の向きを相殺する為、後方に捻じれる。
斜頭ではこのように左右異なる捻じれのストレスが常時掛かる状態とも言えます。
その為、捻れた・歪んだ頭を戻すには一つ一つの骨の位置を確認して元の位置に戻る刺激を加えます。
◆当院での治療法~歪みの改善法~
・骨の位置、可動性を一箇所ずつ確認する
→骨の位置を確認します、斜頭では左右の位置関係が僅かながら異なる状態の為、一つ一つ骨にコンタクトをして確認をします。
・骨、縫合、泉門の「硬さ、密度」を確認する
→頭全体の中で、触診をすると特定の箇所だけ硬さ、張り、出っ張り等見られる場合があり、これらの箇所には僅かな力で緩めます。
密度が高い、とは骨自体に局所的に「小石がある」ような硬さが時折見られます。この状態では骨自体が緊張して、不快な症状を引き起こします。
例えば、いつも泣いている、癇癪がある赤ちゃんはこの類のケースかもしれません。
・骨、硬膜を通じて矯正する
→頭骸骨と頭の中にある硬膜は繋がっている為、頭の歪み=硬膜の捻じれ と捉える事が出来ます。
側方の断面図
硬膜は脳全体を包みこんで、更に頭蓋骨の内面と繋がっています。
側方の断面図 その2
硬膜と頭蓋骨は重なっている形状です。
これらの硬膜が呼吸につられて僅かに動くため、頭部全体を包み込むようにして可動性を確認します。
◆実際の治療はこんな雰囲気
触れる、包み込む様な治療が中心です。
以前はお子様が泣きながらでも治療していましたが、最近では大人しくなった状態で治療する様にしています。
泣いた状態だと、興奮している為身体が硬くなる傾向となります。その状態では治療の結果が出難いと判明(当院の見解!)、落ち着いた状態で治療をする方針です。
赤ちゃんの頭の矯正・治療は、やはり早ければ早いほど結果が出る治療となる為、出産後2ヶ月くらいからやる事をお勧めします。
もちろん、4.5歳のお子様も通院されており絶対治らない訳ではありません。
より早い時期の方が骨が柔らかい状態なので、気になったら早めに取り組んでいきましょう。