症例報告casestudy
メディカルチェックをしてケガの予防をする
2022年03月27日
今年3月から社会人サッカーチームのトレーナーを努めることになりました。
最近の活動では、5月に開幕するシーズン前に選手全員を対象としたメディカルチェックを行っています。
今回報告する事は「メディカルチェック」について、現場で出来る事が中心となりますが簡単に報告します。
【メディカルチェックの役割】
メディカルチェックとは、スポーツ選手が運動を行うに当たっての健康診断で、健康管理のみならずスポーツ傷害の予防に対して有用と考えられています。
・急なケガ(突発的)に対しての応急処置
・身体の使いすぎ(いわゆるオーバーユース)、日常生活上で起こる原因の慢性障害
・痛みを抱えながらもプレーに対しての判断
以上の点を中心に行い、事前に故障しない為のチェックをする為、メディカルチェックは非常に大切な役割を果たしています。
【実際にスポーツ現場で出来る事】
プロスポーツ選手はチームと契約する際にメディカルチェックを受けますが、僕らが出来る事は筋骨格系の検査が中心となります。
例を幾つかあげます。
・現在の問題点(痛む部位)と過去の傷害歴→学生時代のケガ、手術歴
・スポーツ歴(競技レベル、練習時間、ポジションなどを含む)
・現在のポジションについての特性、ポジションに合わせた状況か
・身体の硬さや関節の柔軟性、ケガをしてからの弛緩性(軟らかすぎるか)
・下肢のアライメント、関節可動域、圧痛点の有無、筋力
もっと詳細に知る事はドクターの範疇である内科的な検査を行います。
・身長・体重、血圧・脈拍(アスリートは脈拍が遅い場合がある)
・血液(貧血など末梢血液一般)
・生化学(血糖値や肝機能、コレステロール、尿酸値など)
・尿(尿糖や尿タンパクなど)
・レントゲン(胸部写真で心臓や肺の大きさなどを見る)、MRI等の画像検査
・心電図(安静時の不整脈など
・)運動負荷心電図(トレッドミルやエアロバイク使用にて運動中の脈拍変化)
【メディカルチェックの実際】
3月27日(日)に刈谷の港町グラウンドで6名の検査を行ってきました。
今回行った検査は
①身長、体重、体脂肪の簡易的な検査
②筋力検査
③関節の可動域の検査
④疼痛の確認
⑤骨の柔軟性を確認する検査
⑥動作の中での左右のバランス
【メディカルチェックをして感じる事】
昔ケガをした、手術をした事で動きの不具合がある選手もいて個別の指示を出す事は大切です。
しかし一番大切なことは、身体を「診る」とは教科書的に書いてある検査ばかりでなく、選手の背景を追う必要もあります。
結局は選手自身の性格や筋肉の特性等判断した上で、身体のチェックをする事が必要になってきます。
開幕まで1ヶ月弱、まだ選手全員のチェックは済んでいない為今後少しづつ進めている段階です。
この環境を与えてくれたAS刈谷のスタッフの方に感謝しつつ、此方の出来る事を選手に提供し続けていきます。