急性のケガinjury
1ヶ月間痛みが続く太腿(ふともも)の痛みはどこが原因?
2022年05月29日
今回報告する症例は「1ヶ月間変わらない太腿(ふともも)の痛み」に対しての報告です。
患者像 14歳女性 陸上部 短距離
症状 令和4年4月下旬から右太腿の痛み→ダッシュ出来ない 右側の腰痛
治療期間 3日
治療回数 2回
【負傷原因】
部活で走っていて右太腿前側を負傷
庇っているせいか徐々に右側腰痛を発症
【負傷経過】
4月下旬 近隣の整形外科にて受診 MRI検査→軽度の肉離れ
「内出血が固まっている」と言われる。
治療内容→超音波治療 マッサージ
・5月25日 負傷後1ヶ月経過するが整形外科での治療は症状緩和せず、父親がサッカーチームの関係から相談して頂き来院される。
【検査】
①エコーで検査→内出血は見られず、筋肉の繊維がやや膨らんでいる事が判明。(大腿四頭筋の一部「大腿直筋」)
②筋力検査にて下肢は異常無し、体幹の回旋の弱化が見られる。
③動作分析では負傷した逆側の左脚を一歩前に出した際、身体が右に傾く傾向が見られる。つまり右で支えた際に支えきれず代償動作が起こる。
以上の点を踏まえて治療開始する。
【治療】
大腿部に関してはエコーにて内出血が見られなかったが、筋肉が固まっている形跡はある。
本人がマッサージ、ストレッチをやったにも関わらず改善が見られなかった為、その周囲を診ていくと大腿部の外側面に強い緊張があり。
「腸脛靱帯」
この箇所が回復の制限を掛けている可能性あるため、筋の離開をケアする。
ちなみにこの腸脛靱帯は、骨盤と膝を結ぶ為「腰痛」に関わる可能性もアリ。
骨盤部に対してはお尻を構成する筋肉と繋がりがある為、お尻の筋肉もチェックする。
特に、脚を前に出す=歩行動作と同じ動きになる為、歩行分析にて片側に傾くと負荷の偏りが考えられる。
この患者様は「左脚を前に出す」際に、右で支える事が出来ないため、結果的に身体を右に倒して庇っている事が分かる。
以上から、歩行時に身体を支えるお尻の筋肉が機能障害を起こしている可能性が考えられます。
・治療内容は至ってシンプル
①大腿直筋に関わる外側面の外側広筋、腸脛靱帯の筋膜リリース
②踏ん張りの際使われる大臀筋の骨に付着する「臀筋粗面」に軽度の刺激の治療
注)この粗面と呼ばれる筋肉と骨の繋がる箇所は何らかのきっかけで「痛み」が残るケース多し。
本人にはセルフケアのアドバイス
・5月28日 2回目の来院
→ダッシュしても痛くない👏
腰痛はほぼ改善する👏
まだ2回目の治療であるが、本人曰く「7割」軽減したと報告。
整形外科と違い整骨院ではケガ・外傷にたいして出来る事は「的確な問診・徒手検査」につきます。
今回の治療に掛けた時間で検査:治療比率は
8:2
殆ど検査に費やしての処置です。
ただ整形外科でMRIを撮ってくれた為、除外出来る事が多く助かりました。
やはり整形外科や整骨院でしか出来ない事、それぞれの強みを活かせると患者様自身が助かるのではないかと思います。