腰痛の予防法~②背骨のクッション 椎間板の位置を意識する
腰痛予防についての大切な知識、第②弾
腰痛に対して何をしたらいいか、SNSやインターネットでも様々な情報があふれています。
ストレッチが良い?
痛み止めのお薬?注射で治る?
トレーニング?
上記の様にストレッチやトレーニング、ブロック注射が効く場合もあれば効かない場合もある。
つまりどれもが正解であり、正解で無いと言えます。
慢性腰痛を抱えている方や頻繁にぎっくり腰をするのであれば、その時々で対策を柔軟に変えなければなりません。
その為、様々な腰痛の対応策を知っておくことも大切です。
そこで腰痛予防の対策の一つ、実は腰痛と非常に関わりのある箇所を意識する事で改善するケースがあります。
背骨を支える軟骨、椎間板です。
腰痛予防の大切なポイントである椎間板が関係している事はあまり知られていません。
今回は椎間板についての報告をします。
【椎間板とは?】
・背骨の一部、クッションの役割
→背骨同士の衝撃を吸収してくれる軟骨、クッションの様な役割有り。
・水分で出来ている
→80%以上水分を含んでいる為、日中動く事で徐々に水分が放出され1日で1cm程度身長が変わる。
・位置を正す髄角
中央にある髄核が支えてくれている。髄核が正しい位置にある事で背骨の負担が軽減する。
【椎間板の問題を起こす原因】
・姿勢
普段の座り方で徐々に負担へ繋がる、例えばソファの座り方。
この座り方は脚を組んでいる為、骨盤と股関節の回旋により腰骨の負担となり椎間板に捻転力が加わる。
・スポーツ
スポーツは基本的に同じ動作が多い。テニス、野球、ゴルフ等同じ向きの回旋動作(いつも反時計回り等)が多い競技は捻転力の方向が同じ為椎間板を痛めやすい。
例えばこのゴルフのスウィングでも正しい打ち方かもしれないが、同じ方向の練習が多くなると筋の疲労が蓄積されケガをしやすくなる。
いつも患者様にはアドバイスをするが、逆の方向に回す練習をした方が必ずケガをしにくくなる。逆方向に動かす事で筋肉の使われ方(伸び縮みの方向)が変わり、負担の掛かり方も変わると考えられている。
・椎間板ヘルニア
椎間板の中央にある髄核が後方に突出する症状、3ヶ月程で改善するケースが多い。
「後方に走行する神経に当たって痛くなる」と病院での説明を受けることが多い症状です。
・すべり症 分離症
腰骨の位置が前方に移動する状態で、痛みのレベルは結構強く、慢性腰痛を抱える人に多い症状です。
左の図は骨が前方に滑る症状、右図は前方に滑る+骨同士が離れる(分離してしまう)症状です。
・椎間板の炎症
腰に強いストレスを抱えた際に、椎間板周囲が炎症を起こす症状です。
画像(MRI)で確認すると通常白く見える椎間板が黒く抜けている状態になります。
レントゲンではこのように映らない為、椎間板の炎症は判断できません。
ぎっくり腰の症状はこの症状が多いと言われています。
【椎間板の適切な位置】
腰痛の予防をする為には 余分な負荷を掛けないこと=椎間板の位置を正す事です。
椎間板の位置が変わる要因は長時間止まって同じ姿勢や動作の関係する事が多いです。
本来の背骨の位置関係はS字カーブが理想、S字カーブは負担を分散してくれる効果があります。
例1)座り方
Aは不良姿勢で多いパターン、通称C字カーブです。
このパターンは椎間板が後方に押し出されて椎間板ヘルニアになりやすい座り方。
椅子に座った時に後方へもたれかかると、骨盤と一緒に背骨は後方に倒れる。
椎間板も後方に押し出される。
黄色の枝は神経の繊維、この箇所に圧迫が掛かると痺れの原因となる。
【椎間板に対しての腰痛予防セルフケア】
⓵腹圧を高める
腹圧を高める事で背骨に圧力が加わり、椎間板が拡張する事で適切な状態を保つ状態となります。
これは呼吸の息を吐く動作が大切。長時間息を吐き続ける事が大切です。
こんなやり方もあります。
→https://www.youtube.com/watch?v=P1pMczN2Dbc&t=11s
②負担の無い座り方
この坐骨座位、少しコツを掴むまで難しいかもしれませんが一度覚えると楽な座り方です。
【まとめ】
椎間板の位置によって腰痛が引き起こることを簡単にまとめました。
腰痛回避には必ず意識する事で徐々に痛みの軽減につながります。
どんな姿勢でも同じ姿勢で長時間過ごす事はNG?♂️
椎間板も腰痛に関わる事を覚えておきましょう?⚕️
腰痛の予防法〜① 40代 男性のぎっくり腰から症状からの考察
この時期に多く出てしまうぎっくり腰。
昔から「魔女?♀️の一撃」と言われるほど強い痛みを伴い、酷いと立ち上がれず歩けなくなる方も珍しくない症状。
この時期に起こる原因としては、季節の変わり目で朝晩の気温の変化に体が対応出来ず緊張しやすい状態になる事で、ケガをしやすいのではないかと言われています。
先日から来院されている患者様、随分回復したけど当時は歩行器を使って歩く程の痛みでした。
患者様→40代 男性
原因→起床時、洗顔をした際に負傷 数日前に腰に違和感を感じていた
症状 →歩けなくなる程の腰痛
治療期間 1ヶ月(通院中)
治療回数 6回 (11月7日時点)
今月は腰痛の症状、予防法について報告します。
◆ぎっくり腰は腰の捻挫
ぎっくり腰は腰の捻挫です、殆どの場合無理な体制や使い方によって腰を負傷するケースが多いです。
・物を拾う、持ち上げる
・脚を固定して体を捻った動作
・草取り中、身体をかがめた時
・腰に違和感を感じていて、急に動いた(起床時起き上がり、洗面台で顔を洗う際)
腰を反らすより前方に曲げて痛めるケースが多い症状ですが、これは腰の筋肉や靭帯が伸ばされてしまう為です。
筋肉や靭帯は「筋(すじ)」と一括りされますが、筋は縮むより伸びる方が負担となります。
このメカニズムは、筋は縮むより伸びた場合に6~7割程の抵抗力しか働かないからです。
結果的に筋が伸びる事に耐え切れず、腰の捻挫⇒強烈な痛みのぎっくり腰になるケース多くなります。
◆どの箇所を痛めるのか?
腰を痛める際には幾つもの可能性があります。
背中・腰の表面を支える筋肉
これらの筋は痛むケースは少ない
腰を支える細かい筋肉
此方の筋は傷つきやすく、ギックリ腰の原因となります。
骨盤の関節を支える靭帯
背骨の関節、椎間板周囲にも原因となりやすい
背骨を支える靭帯、「奥の方に強い痛み」と表現される事が多い
よく「私どこを痛めていますか?」と聞かれるが、腰を支える筋だけでこれだけ多くある為筋の分別は非常に難しい、更に一箇所だけで無く数箇所ケガをする可能性があります。
ただ、これらの筋は身体の後方に多く腰を守る為の役割があるので前方に身体を倒すとどこの筋を負傷するかは判明出来ません。
レントゲンは判明出来ない、毎回痛める都度MRIを撮る事は大変な為ある程度予想を立てる必要があります。
◆普段からできる予防法
痛みも強く日常生活に支障を及ぼすぎっくり腰、何か予防法あるのか?
実は普段からギックリ腰にならない予防策は立てる事が出来ます。
それは骨盤と背中の位置関係を意識して使う事です。
上記に上げた、筋を伸ばさない使い方をする為には骨盤の位置を意識してお尻を使う動作をする事が大切になります。
例えば下にある物を持ち上げる際には、腰の位置を意識する事が大切です。
・痛めてしまうパターン
物を持ち上げる迄の距離が長く、手を伸ばして前傾する。
腕を伸ばしたまま身体を倒す
腕を伸ばしたまま持ち上げて体を起こす。
・痛めにくい使い方
身体を倒すのでなくまずはお尻を下げる使い方が正解。膝を前に倒さずに対象物に身体を近づけて持つ、立ち上がりは脇を締めてそのまま立ち上がる。
膝が悪い人は片膝立ちを使うと良い。
悪い方の膝を立てた状態でお尻を下げて身体を起こす。
◆腰痛防止のポイント
①骨盤を後傾しない→骨盤を後傾する事で筋を伸ばしやすくしてしまう。
②お尻を上手に使う→お尻は人体の最大筋力を発揮出来る箇所。
お尻の大切さは→https://seiren-do.com/casestudy/2021/05/23/子供の腰痛も成長痛??股関節の柔軟性をチェッ/
この2点を意識する事で、腰の負担はかなり軽減します。
是非やってみてください?♂️
頭のゆがみ・治療について
10月に上げたブログを纏めました。
参考にして頂けたら幸いです。
11月の休日について
11月3日(水)と23日(火)は祝日の為お休みとなります。
頭の形・治療について⑤ 上顎のゆがむパターン&頭の治療の考え方について
◆上顎の歪みとは?
上顎は2つの上顎骨と口蓋骨が合わさったもので、これらは対(つい)になっている為関節を構成している。
関節を構成している為、関節面の歪みから位置関係が変わる可能性はあります。
ではどんな状況でゆがみが起こるのか?
①日常生活上での習慣
・顎の歪みは片方しか噛まない噛み癖や、普段の姿勢で首が傾くなど気付かないうちに進行するケースが多く見られます。
②下顎骨に合わせてゆがむ
・上顎自体がゆがむ事は少なく、下顎は筋肉の緊張によって牽引されて位置が変わりやすい為下顎骨の噛み合わせに合わせて徐々に変わるケースもあり。
③乳児期からの顔が歪む状態を維持して成長した為、顔の配列が崩れたまま顔面が形成される。
・1つのパターンとして「トーション(ねじれ)」という症状がある。
蝶形骨が冠状面(側面上)で傾く、更に後頭骨が蝶形骨と逆に傾く。その結果上顎を含めた顔面の傾きとなる。
・側方から見た頭蓋骨
側頭骨と頭頂骨を取り除く
1️⃣後頭部から前頭部に掛けての「軸」、ここを回旋する。
2️⃣後頭骨は右回旋
3️⃣蝶形骨は左回旋
蝶形骨の動きつられて、頬骨→上顎骨と歪む原因となります。
上記2枚の写真は顔の歪みがはっきり分かります。
◆治療について
このようなケースについては、今までブログでお伝えした通り早期の治療であれば変わる可能性が考えられます。
私たちが行うオステオパシーを含めた徒手療法は、骨の生理学によって効果が見られる時間がかかってしまいます。
今回挙げた「トーション」に関わる蝶形骨~後頭骨の関節は12~15歳程で固まる可能性が高く、もしかしたらその時期までに治療する事で顔面の歪みは軽減できるかもしれません。
しかし他の骨の縫合が固まっている状態や、顔面骨の形状により適応している、目立った機能障害が無い場合だと矯正が必要がない可能性が考えられます。
当院に来られる頭や顔の歪みについての症例としては以下の通りです。
・斜頭
・絶壁
・短頭、長頭
・発達障害
・顔面神経痛
・頭痛、肩こり
・勉強が苦手
・姿勢不良
今までは「大丈夫」、「心配ない」、「成長につれて改善する」、「放っておけばいい」と言われていた頭のゆがみ。
正解が無いような治療かもしれませんが、ゆがみが改善する事で解決する症状が多い事も判明してきました。
当院でも「骨を治す整骨業務」として、これからも日々研究を続けていきます。